240分との戦い その2

3月 14th, 2013

<<その1はコチラ

2013年3月10日 AM4:00
 
ヘッドの枕元に付いている時計のアラームとモーニングコールと
iphoneのアラームが鳴り響き、起床。
 
前夜購入しておいたおにぎり3つと「どん兵衛」を食べ、
風呂に入り、ストレッチ…といったマラソン前のルーティンを
こなす。
 
テレビは通販番組しかやってない。
 
 
体調面では悪くない、しかし、足の疲労感は残っている。
 
 
足をマッサージしたりストレッチしたりしているうちに
ふと気づいたら、AM6:20を回っていた。
 
あ、ヤバい。
 
 
着替えて急いで荷物をまとめる、バタバタとチェックアウトして
京都駅に向かう。
 
乗る予定だった6:51発の電車は既に発車済みで、次は7:05。
 
 
朝からぐだぐだし過ぎて予定より遅れてしまった…
 
 
電車を降りて早足で西京極陸上競技場へ向かう。
 
西京極陸上競技場に到着して着替えを済ませて、荷物をトラックに預ける。
 
 
次にやることは
 
 
kyoto3
トイレの行列に並ぶことだ(笑)
こちらは進行の早い「小」の行列だったので10分くらいしかかからなかった。
 
 
トイレを済ませ、シューズの紐を結び直していると、声をかけられた
 
 
sda2012281
昨年9月に出場したOSJクロスマウンテンマラソン42kmの際、ニッコニコで
一緒にゴールしたナオコちゃん(20代)ではないか!!
 
まさかこんなところで再会するとは!!
 
「土橋塾」ジャージですぐわかったらしい(笑)
 
やはりウェアは大事だ。
 
 
お互い健闘を誓い合った。
 
 
陸上競技に携わる人達の「聖地」ともいえる西京極陸上競技場の
トラックに入り、指定されたEブロックに並ぶ。
 
 
kyoto11
いつものことだが、周囲の人たちは皆速そうに見える。
 
…が、「アンタ、そんなんで大丈夫なのか?」と思ってしまうような
立派な腹の持ち主も居る(笑)
 
 
 
スタート位置に並んでからは偉い方の挨拶といったセレモニーがあり、
東日本大震災の犠牲となった方々への黙祷をし、いよいよスタートだ。
 
 
 
実は私はこの京都マラソンには一つの目標を持って挑んでいた。
 
レースタイムで4時間を切ることである。
 
 
フルマラソンに初めて出てから今年で5年、なのにベストタイムは4時間11分
  
 
まぁ、完走できるからいいやくらいに思っていたのだが、今年の熊本城マラソンで
私の友人・知人達が次々と4時間切りでゴールしたではないか。

 
中にはフルマラソン初チャレンジで4時間切ったという友人も居た… 
 
 
私はそれを聞いて焦りを感じた。
 
 
京都マラソンは私にとっては今シーズン最後のレース、ここで結果を
出しておかなければならない。
 
240分を抜き去り、ゴールしなければならない。
 
 
昨日から神経質になっていたのは一人遠征だけが原因ではなかったのだ。
 
 
そんな思いを抱きつつ…
 
 
2013年3月10日 AM8:30
 
号砲一発、京都マラソン2013がスタートした。
 
 
スタート直後の動画を撮影し、iphoneアプリのRunkeeperをスタートさせてから
ウエストポーチにしまう。
 
今回、途中での写真撮影はナシだ。
 
 
Eブロックだったので、ゆっくりと準備を整えているうちにようやく列が動き出す。
 
 
スタートラインを踏み越えたのは3〜4分後だったか?
 
スタート位置指定が適当な菜の花マラソンに比べれば断然スムーズなスタートだ。
 
 
陸上競技場を出て一般公道へ、沿道には早くも多くの人たちが声援を送ってくれている。
 
景気付けに沿道へ駆け寄って
 
 
「ヒャッハーーーーーーーー!」
 
 
と、50m程のハイタッチを2度程ぶちかます。
 
 
盛り上がってキタぁぁぁぁ!
 
 
 
ちょっと道幅が狭いものの、スタート直後から歩き出すようなやる気の無い参加者は居ないのでとても走り易い。
 
 

しかし…暑い
 
 
5km程度走ったところでかなり汗をかいていることに気づく。
 
この日は土橋塾の半袖ジャージにウインドベストを重ね着して薄手の手袋のみだったが、
それでもベストと手袋は要らなかったか?と思った程だ。
 
 

いつものようにバックポケットにはペットボトルの水を入れていたが、いつもより減りが早い。
 
 
桂川沿いに走り、嵐山の渡月橋を遠くに見つつ右折。
 
時代劇のロケ地として有名な「大覚寺」を通過して行く…
 
 
アタックチャぁ〜ンス!ではないが、微妙にアップダウンを繰り返すという結構ハードなコースだ。
 
 
10km地点を通過。
 
手元の時計では53分30秒前後。
 
 
今のところは順調、体調、足の状態も悪くない。
 
 
しかし、地味なアップダウンがキツイ。
 
 
しばらくすると、沿道の応援の中に
 
 
「もうすぐ、坊さん」
 
 
というプラカードを持った人が、
 
 
なんのこっちゃ?だったが、それは数分後に明らかになる。
 
 
kyoto211
※参考画像
 
仁和寺(にんなじ)の門前にお坊さんがズラっと並んで
ランナーを応援してくれるという、京都マラソンの名物ポイントの
一つだった。
 
給水所のボランティアスタッフの中にメガホンで声援を送って
くれている人が居て、「どばしじゅくがんばれー!」と名指しで
声援をもらう(笑)、土橋塾ジャージの破壊力はアウェイでも健在だ。
 
 
龍安寺と金閣寺の前を通過(当然ながら前を通過するだけだが)、
広い道に出るが、この道がまたダラーっとした上り坂…
 
なんとかペースを維持して走る。
 
 
15km地点を通過。
 
あと4km弱でヒロコ先輩が応援してくれているハズの賀茂川沿いだ。
 
 
すると…
 
 
 
ポツ…ポツ、ポツ
 
 
ザーーーーーーっ
 
 
雨が降り出した…
 
それまでポツポツ程度は落ちて来ていたが、ココへ来て
本格的に降り出した。
 
 
 
あっと言う間に道路がヘヴィウェットになったので、
おそらくこの辺は早くから降り出していたのだろう。
 
 
これはイカン…急がねば、ヒロコ先輩を雨の中待たせる
わけにはいかん。
 
 
商店街を抜けて賀茂川沿いの道に出る、春は桜並木が
キレイらしいが、時期はまだまだ早い。
 
 
雨に加えて、風も吹いて来た…寒いよ。
 
 
さっきまで暑かったのに…
 
 
皆が走っている道路右側に寄って走った方が風除けになって良いのだが、
左側に居るであろうヒロコ先輩が見つけ易いように一人左側を走る。
 
 
折り返しの橋が見えてきた。
 
 
すると、メガホンで私の名前を呼んでいる人が視界に入る。
 
 
ああ、あれは憧れのヒロコ先輩…俺を待っていてくれたのか…
 
 
おそらく急に天候が悪くなったけど傘を取りに帰れなかったのだろうか、
ヒロコ先輩は傘もささずにパーカーのフードを被っていた。
髪も少し濡れていたようだ。
 
涙が出そうになった。
 
 
そんな憧れのヒロコ先輩は、高校の頃と変わらない笑顔
私に向けて言った…
 
 
「がんばって!ハイ!コレ!」
 
 
と手渡された
 
 
 
kyoto15
ガッツリとパンが入った袋。
※写真は走り終わった後に撮影
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
ヒロコ先輩はfacebookに自分で焼いた美味しそうなパンの
写真をいつもアップしていた。(教室もやっているらしい)
 
それを見ていたので、
 
「パンの差し入れ待ってまーす」
 
と言ったのは事実だ。 
 
 
私の要望通り、ヒロコ先輩は手作りのパンを私に差し入れしてくれたのだ。
 
 
ありがたく受け取り、橋を渡って折り返した。
 
 
結構重い(笑)
 
 
ただ、パンの形状が丸だったので持ち易かった。
 
 

その3に続く>>

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セルフディスカバリーアドベンチャー2012 【完結編】

9月 21st, 2012

【4】はこちら>>
【3】はこちら>>
【2】はこちら>>
【1】はこちら>>
 
 
 
「 リ タ イ ヤ 」
 
するか…?
 
 
 
だが、この大会には選手回収車など居ないので、自力でさっき通過したゴール地点まで
引き返さなければならない。
 
 
仮にここで引き返してリタイアしても5km以上は歩かなければならず、結果的には30km
走った(歩いた)ことになってしまう。
 
 
+12km頑張れば完走だ。
 
 
 
 
 
 
「まだだッ!まだ終わらんよっ!」
 
  
 
 
意を決して前に進むことにした。
 
 
 
フッと走り出してみる。
 
フクラハギに痛みが走る。
 
「気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい」
 
 
と呟きながら走ってみるが30秒が限界だ。
 
 
やはり…ダメか。
 
 
1時間以上上ったが25km地点の看板が全く見えて来ない。
 
 
 
マズいな…
 
 
 
そしてようやく、2つ目のピークを越えて下りが始まる。
 
 
 
 
右足を引きずり気味に、走っているか早歩きかわからないくらいのペースで
下っているとエイドステーションが現れた。
 
 
そこに居たのは今回の王滝ツアーで宿泊した宿のご主人。
大会を手伝っていらっしゃったようで、通過したランナーのチェックをされていた。
 
 
ヘロヘロでエイドに来た私を見たご主人は一言
 
 
「やっと来たね〜、うちのお客さん、みんな遅くってさー」
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
コップ一杯の水(スポーツドリンクばっかりでたまに水を飲みたくなる)を飲んで、
そんな冗談(?)と「がんばって!」という激励を背中に受け
 
「ここって何kmくらいの地点ですか?」
 
と尋ねてみると
 
「29kmくらいかな!」
 
という答えが。
 
 
どうやら25km看板は見落としていたようで、思ったより進んでいたようだ。
 
 
ちょっと元気が出た勢いで走り出してみると…

 
 
おおっ!走れる!
 
 
フクラハギの痛みがほぼ消えていた。
 
 
 
結局原因がわからなかったのだが、もしかしたら攣っていたのだろうか…?
 
 
 
いずれにしても走れるようになったことで精神的にも楽になった。
 
 
 
 
sda201214
とてもマラソンコースとは思えないダイナミックな風景。
 
 
 
MTBのコースとは違う風景を楽しみながら走り続けるが、今度は右膝内側が若干痛みだした。
 
 
ここは今年7月頃に一度痛めた場所だ。
 
 
ちょっとマズいな…
 
 
膝が痛いことを意識から切り離して走る。
 
 
 
 
 
sda201218
三浦ダムをこの角度から観るのは初めてだ。
 
 
 
 
オフロードの下りが終わって33km地点の最終チェックポイントに到着。
 
 
4時間20分前後だったか?
 
 
 
5時間切りでのゴールは無理だが、5時間半くらいでゴールできそうな感じだ。
 
 
 
しかし、右膝は少しずつ主張が強くなってきており、あまり無理はできない。
 
 
 
 
sda201228
綺麗な水の川沿いを走る舗装路、おそらくもうオフロードの上りは無いだろう。
 
 
 
あとはこの右膝を炸裂させることなくゴールまで走るだけだ。
 
 
 
35km地点を通過。
 
 
あと7km。
 
 
 
「 完 走 」
 
 
の二文字がかなり鮮明に見えてきた。
 
 
 
右膝は相変わらず痛むものの、酷くなることもなかったのでなんとか走り続けられそうだ。
 
 
 
 
遠くにゴール地点でのMCの声が聴こえる。
 
 
 
オレは戻って来た。
 
 
 
 
 
MTBで100kmを、そして翌日に山岳フルマラソンを完走する。
 
 
 
前夜の私は腰は痛いし、脚は疲労しているしで
 
「こんなんじゃ明日のフルマラソンなんて絶対ムリ」
 
と終始弱音を吐いていた。完走は無理だと思っていた。
 
 
 
 
宿を出ると雨が降っていてテンションはさらにダダ下がり、
 
ちょっと走って無理だったらすぐ引き返すつもりだった。
 
 
 
しかし、そんな無理だと思っていたフルマラソンをオレは間もなく完走する。
 
 
 
人間というものは、意外に無理がきくようだ。
 
 
いや、無理と思っているだけでそんなに無理なことではないのかもしれない。
 
 
 
ストイックに自分と向き合ったセルフディスカバリーアドベンチャーの二日間が
もうすぐ終わろうとしている…

 
 
 
 
 
 
結局、男とは孤独な戦いを続けなければならないのだ。
 
 
 
 
 
ゴール地点手前で小川に脚を浸けて休んでいたランナー達が声をかけてくれた
 
 
「ラストっ!がんばれっ!」
 
 
ありがとう。
 
 
 
ゴール地点に入り、ゲートをくぐる。
 
 
 
 
MTB100kmと42kmの山岳マラソンを完走。
 
 
 
2日間、142km、13時間に及んだ孤独な男のストイックな戦い
ついにグランドフィナーレを迎えた。

 
 
 
5時間19分12秒…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
sda2012281
 
40km地点で追い越しざまに話かけて仲良くなっちゃった
女の子(20代)と一緒にニッコニコでゴール!

 
 
 
 
 
トレランって女性の参加者が多いんですよねー
 
 
 
 
 
 
いやー楽しかった。
 
 
 
 
 
 
 
  
  
  
 
うわなにをするきさまらー!

 
 
 
 
 
 
終わり。
 
 
 
 
 
※彼女は関西から一人でクルマを運転して前日に王滝入りし、42km完走して
 クルマ運転して帰ると言っていた…。

 
 

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セルフディスカバリーアドベンチャー2012 【4】

9月 21st, 2012

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【2】はこちら>>
【1】はこちら>>

トライアスロンのスタートのような「プア〜ん」というラッパの
音でスタート。
 
 
前日にマウンテンバイクでゴールした場所がスタート地点だ。
 
 
 
昨日は長い下りの後でゴールだったので、
 
今日はスタート直後からとてつもなく長い上りから始まる

 
 
 
 
 
attack34
アタックチャぁ〜ンス!
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
 
距離にして約8kmをひたすら上り続ける。
 
 
そんな長い上り坂を走って上る練習なんざしていない。
 
 
早歩きしても速度は変らないので、歩きを入れながら進んでみるが、
一旦歩くと次に走り出すタイミングを計り難くペースが上がらない。
 
 
 
ペースが変らなくとも走り続けた方が良いようだ。
 
 
 
昨日は晴天だったが、雨模様の王滝もなかなか良い雰囲気だ。

  
スタートして1時間程経過し、最初の上りを上りきる頃には天気も回復、
青空がのぞいてきた。
 
 
 
予想していたより走れている。
 
 
 
 
昨夜、帰宅組のクルマを見送る時、同行メンバーのミチフミ氏が私に言った
 
「バイクとランは使う筋肉違うから、意外と大丈夫だよ」
 
…と。
 
 
ミチフミ氏はトライアスリートで、ロング完走の経験もあり、
すばらしく説得力のある一言だったが、それを実感することとなった。
 
 
 
 
ピークを過ぎて下り坂が始まった。
 
 
自転車ならちょっとはペースも上がるが、ランニングではそうもいかない
 
 
 
…が、スゴい速度差で追い越される
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
ずっと前に上り坂で追い越したランナーにあっと言う間に置いて行かれた…
 
 
 
あんなに飛ばして大丈夫なのか?
 
 
やはりランニングにもテクニックはあるようだ…
 
 
無理して膝や足首を故障しては電車に間に合わなくなるので(笑、
平地よりちょっと速いくらいのペースで走る。
 
 
 
ある程度下り、前日第三エイドだった場所からは舗装路となり、緩やかに下り続ける。
 
 
結構走り易い。
 
 
 
天気もすっかりよくなって、木漏れ日の中をむしろ気持ち良く走れていた。
 
 
 
15km地点を通過し、予想以上に快調に走り続ける。
 
 
いや、まだだ。
 
 
まだ半分も走っていない、油断は禁物。
 
 
 
 
ゴール地点となる場所を一旦通過して、次の山に向けて走る。
 
 
 
ゴールに戻って来る20kmコースの参加者とすれ違う。
 
 
「頑張って下さい!」
 
 
と声をかけられ、
 
 
「おう!ありがとう!」と威勢良く返事をするものの、
 
いまからさらに20km以上走らないかんのかと思うと…
 
 
 
 
 
舗装路が終わってオフロードの上りに突入する。
 
 
 
本日二度目の…
 
 
attack34
アタックチャぁ〜ンス!
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
 
舗装路を快調に走っていたが疲労は確実に蓄積していたようで、上れない…
 
 
脚の付け根あたりの筋肉がもの凄く疲労していて腿を上げるのがツライ…
 
 
 
 
 
 
 
sda201215
20km地点を通過。
 
ほぼ半分は過ぎたが、この先はまだ延々と続く坂だ。
 
 
 
もう歩きで上ることにした。
 
 

 
勾配が緩やかになったところで再び走り出す…
 
 
 
 
 
その時。
 
 
 
 
 
 
ビキィっ!
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
右足を着地するとフクラハギの内側に激痛が!
 
 
 
歩いている時は大丈夫だが、走ると激痛が走る…
 
 
 
今までに経験のない場所の痛み。
 
 
 
ちょっと時間をあけて走り出してみるもやっぱり痛くて走れない。
 
 
 
こっ…これはイカン。
 
 
 
残りの距離は15km以上、全部歩いては時間がかかり過ぎる…
 
 
 
勇気を出して立ち止まり、痛みが出ている部分をマッサージしてみる。
 
こういう場合は周囲に原因がある場合もあるので下半身を中心に
ストレッチもしてみた。
  
 
再スタートし、走り出してみるがやっぱり痛い。
 
 
「 リ タ イ ヤ 」
 
 
の4文字が頭をよぎる。
 
 
 
 
しばらく歩きで上っていると、前方からランナーが一人降りて来た。
 
 
 
すれ違いざまに「どうしたんですか?」と尋ねると。
 
 
 
「足の裏がヤバいんで、今のうちに引き返します」
 
 
…と。
 
 
 
これは都市部で開催されているマラソン大会ではない。
 
自分の身体の状況を見極め、冷静に判断しなければ大変なことになってしまうのだ。
 
引き返すことは大変な勇気が必要だっただろう。
 
 
彼の「残りがんばってください!」という激励を背中に受けて再び歩き出した。
 
 
右フクラハギは相変わらずの状況だ、走れない
 
 
「 リ タ イ ヤ 」
 
 
の4文字が再び頭をよぎる。
 
 
 
私は男坂のように果てしなく続く上り坂を見ながら、立ち尽くしてしまった。
 
 
 
その5に続く>>

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