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セルフディスカバリーアドベンチャー2012 【完結編】

9月 21st, 2012

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「 リ タ イ ヤ 」
 
するか…?
 
 
 
だが、この大会には選手回収車など居ないので、自力でさっき通過したゴール地点まで
引き返さなければならない。
 
 
仮にここで引き返してリタイアしても5km以上は歩かなければならず、結果的には30km
走った(歩いた)ことになってしまう。
 
 
+12km頑張れば完走だ。
 
 
 
 
 
 
「まだだッ!まだ終わらんよっ!」
 
  
 
 
意を決して前に進むことにした。
 
 
 
フッと走り出してみる。
 
フクラハギに痛みが走る。
 
「気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい気のせい」
 
 
と呟きながら走ってみるが30秒が限界だ。
 
 
やはり…ダメか。
 
 
1時間以上上ったが25km地点の看板が全く見えて来ない。
 
 
 
マズいな…
 
 
 
そしてようやく、2つ目のピークを越えて下りが始まる。
 
 
 
 
右足を引きずり気味に、走っているか早歩きかわからないくらいのペースで
下っているとエイドステーションが現れた。
 
 
そこに居たのは今回の王滝ツアーで宿泊した宿のご主人。
大会を手伝っていらっしゃったようで、通過したランナーのチェックをされていた。
 
 
ヘロヘロでエイドに来た私を見たご主人は一言
 
 
「やっと来たね〜、うちのお客さん、みんな遅くってさー」
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
コップ一杯の水(スポーツドリンクばっかりでたまに水を飲みたくなる)を飲んで、
そんな冗談(?)と「がんばって!」という激励を背中に受け
 
「ここって何kmくらいの地点ですか?」
 
と尋ねてみると
 
「29kmくらいかな!」
 
という答えが。
 
 
どうやら25km看板は見落としていたようで、思ったより進んでいたようだ。
 
 
ちょっと元気が出た勢いで走り出してみると…

 
 
おおっ!走れる!
 
 
フクラハギの痛みがほぼ消えていた。
 
 
 
結局原因がわからなかったのだが、もしかしたら攣っていたのだろうか…?
 
 
 
いずれにしても走れるようになったことで精神的にも楽になった。
 
 
 
 
sda201214
とてもマラソンコースとは思えないダイナミックな風景。
 
 
 
MTBのコースとは違う風景を楽しみながら走り続けるが、今度は右膝内側が若干痛みだした。
 
 
ここは今年7月頃に一度痛めた場所だ。
 
 
ちょっとマズいな…
 
 
膝が痛いことを意識から切り離して走る。
 
 
 
 
 
sda201218
三浦ダムをこの角度から観るのは初めてだ。
 
 
 
 
オフロードの下りが終わって33km地点の最終チェックポイントに到着。
 
 
4時間20分前後だったか?
 
 
 
5時間切りでのゴールは無理だが、5時間半くらいでゴールできそうな感じだ。
 
 
 
しかし、右膝は少しずつ主張が強くなってきており、あまり無理はできない。
 
 
 
 
sda201228
綺麗な水の川沿いを走る舗装路、おそらくもうオフロードの上りは無いだろう。
 
 
 
あとはこの右膝を炸裂させることなくゴールまで走るだけだ。
 
 
 
35km地点を通過。
 
 
あと7km。
 
 
 
「 完 走 」
 
 
の二文字がかなり鮮明に見えてきた。
 
 
 
右膝は相変わらず痛むものの、酷くなることもなかったのでなんとか走り続けられそうだ。
 
 
 
 
遠くにゴール地点でのMCの声が聴こえる。
 
 
 
オレは戻って来た。
 
 
 
 
 
MTBで100kmを、そして翌日に山岳フルマラソンを完走する。
 
 
 
前夜の私は腰は痛いし、脚は疲労しているしで
 
「こんなんじゃ明日のフルマラソンなんて絶対ムリ」
 
と終始弱音を吐いていた。完走は無理だと思っていた。
 
 
 
 
宿を出ると雨が降っていてテンションはさらにダダ下がり、
 
ちょっと走って無理だったらすぐ引き返すつもりだった。
 
 
 
しかし、そんな無理だと思っていたフルマラソンをオレは間もなく完走する。
 
 
 
人間というものは、意外に無理がきくようだ。
 
 
いや、無理と思っているだけでそんなに無理なことではないのかもしれない。
 
 
 
ストイックに自分と向き合ったセルフディスカバリーアドベンチャーの二日間が
もうすぐ終わろうとしている…

 
 
 
 
 
 
結局、男とは孤独な戦いを続けなければならないのだ。
 
 
 
 
 
ゴール地点手前で小川に脚を浸けて休んでいたランナー達が声をかけてくれた
 
 
「ラストっ!がんばれっ!」
 
 
ありがとう。
 
 
 
ゴール地点に入り、ゲートをくぐる。
 
 
 
 
MTB100kmと42kmの山岳マラソンを完走。
 
 
 
2日間、142km、13時間に及んだ孤独な男のストイックな戦い
ついにグランドフィナーレを迎えた。

 
 
 
5時間19分12秒…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
sda2012281
 
40km地点で追い越しざまに話かけて仲良くなっちゃった
女の子(20代)と一緒にニッコニコでゴール!

 
 
 
 
 
トレランって女性の参加者が多いんですよねー
 
 
 
 
 
 
いやー楽しかった。
 
 
 
 
 
 
 
  
  
  
 
うわなにをするきさまらー!

 
 
 
 
 
 
終わり。
 
 
 
 
 
※彼女は関西から一人でクルマを運転して前日に王滝入りし、42km完走して
 クルマ運転して帰ると言っていた…。

 
 

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セルフディスカバリーアドベンチャー2012 【4】

9月 21st, 2012

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トライアスロンのスタートのような「プア〜ん」というラッパの
音でスタート。
 
 
前日にマウンテンバイクでゴールした場所がスタート地点だ。
 
 
 
昨日は長い下りの後でゴールだったので、
 
今日はスタート直後からとてつもなく長い上りから始まる

 
 
 
 
 
attack34
アタックチャぁ〜ンス!
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
 
距離にして約8kmをひたすら上り続ける。
 
 
そんな長い上り坂を走って上る練習なんざしていない。
 
 
早歩きしても速度は変らないので、歩きを入れながら進んでみるが、
一旦歩くと次に走り出すタイミングを計り難くペースが上がらない。
 
 
 
ペースが変らなくとも走り続けた方が良いようだ。
 
 
 
昨日は晴天だったが、雨模様の王滝もなかなか良い雰囲気だ。

  
スタートして1時間程経過し、最初の上りを上りきる頃には天気も回復、
青空がのぞいてきた。
 
 
 
予想していたより走れている。
 
 
 
 
昨夜、帰宅組のクルマを見送る時、同行メンバーのミチフミ氏が私に言った
 
「バイクとランは使う筋肉違うから、意外と大丈夫だよ」
 
…と。
 
 
ミチフミ氏はトライアスリートで、ロング完走の経験もあり、
すばらしく説得力のある一言だったが、それを実感することとなった。
 
 
 
 
ピークを過ぎて下り坂が始まった。
 
 
自転車ならちょっとはペースも上がるが、ランニングではそうもいかない
 
 
 
…が、スゴい速度差で追い越される
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
ずっと前に上り坂で追い越したランナーにあっと言う間に置いて行かれた…
 
 
 
あんなに飛ばして大丈夫なのか?
 
 
やはりランニングにもテクニックはあるようだ…
 
 
無理して膝や足首を故障しては電車に間に合わなくなるので(笑、
平地よりちょっと速いくらいのペースで走る。
 
 
 
ある程度下り、前日第三エイドだった場所からは舗装路となり、緩やかに下り続ける。
 
 
結構走り易い。
 
 
 
天気もすっかりよくなって、木漏れ日の中をむしろ気持ち良く走れていた。
 
 
 
15km地点を通過し、予想以上に快調に走り続ける。
 
 
いや、まだだ。
 
 
まだ半分も走っていない、油断は禁物。
 
 
 
 
ゴール地点となる場所を一旦通過して、次の山に向けて走る。
 
 
 
ゴールに戻って来る20kmコースの参加者とすれ違う。
 
 
「頑張って下さい!」
 
 
と声をかけられ、
 
 
「おう!ありがとう!」と威勢良く返事をするものの、
 
いまからさらに20km以上走らないかんのかと思うと…
 
 
 
 
 
舗装路が終わってオフロードの上りに突入する。
 
 
 
本日二度目の…
 
 
attack34
アタックチャぁ〜ンス!
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
 
舗装路を快調に走っていたが疲労は確実に蓄積していたようで、上れない…
 
 
脚の付け根あたりの筋肉がもの凄く疲労していて腿を上げるのがツライ…
 
 
 
 
 
 
 
sda201215
20km地点を通過。
 
ほぼ半分は過ぎたが、この先はまだ延々と続く坂だ。
 
 
 
もう歩きで上ることにした。
 
 

 
勾配が緩やかになったところで再び走り出す…
 
 
 
 
 
その時。
 
 
 
 
 
 
ビキィっ!
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
右足を着地するとフクラハギの内側に激痛が!
 
 
 
歩いている時は大丈夫だが、走ると激痛が走る…
 
 
 
今までに経験のない場所の痛み。
 
 
 
ちょっと時間をあけて走り出してみるもやっぱり痛くて走れない。
 
 
 
こっ…これはイカン。
 
 
 
残りの距離は15km以上、全部歩いては時間がかかり過ぎる…
 
 
 
勇気を出して立ち止まり、痛みが出ている部分をマッサージしてみる。
 
こういう場合は周囲に原因がある場合もあるので下半身を中心に
ストレッチもしてみた。
  
 
再スタートし、走り出してみるがやっぱり痛い。
 
 
「 リ タ イ ヤ 」
 
 
の4文字が頭をよぎる。
 
 
 
 
しばらく歩きで上っていると、前方からランナーが一人降りて来た。
 
 
 
すれ違いざまに「どうしたんですか?」と尋ねると。
 
 
 
「足の裏がヤバいんで、今のうちに引き返します」
 
 
…と。
 
 
 
これは都市部で開催されているマラソン大会ではない。
 
自分の身体の状況を見極め、冷静に判断しなければ大変なことになってしまうのだ。
 
引き返すことは大変な勇気が必要だっただろう。
 
 
彼の「残りがんばってください!」という激励を背中に受けて再び歩き出した。
 
 
右フクラハギは相変わらずの状況だ、走れない
 
 
「 リ タ イ ヤ 」
 
 
の4文字が再び頭をよぎる。
 
 
 
私は男坂のように果てしなく続く上り坂を見ながら、立ち尽くしてしまった。
 
 
 
その5に続く>>

未分類

セルフディスカバリーアドベンチャー2012 【3】

9月 21st, 2012

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自転車を軽く洗って、シャワーを浴び、着替える。
 

 
自転車をクルマに積み込んで、帰る準備をしたら表彰式だ。
 
 
 
今回も遠征メンバー内から表彰者が!
 

 
 
sda201220
クロスロードバイシクル店主、宮本氏、120km年代別(40代)優勝!
 
2回パンクしたのに総合でも8位だったことを考えると…次回にも期待だ。
 
これからは彼のことを
 
 
長距離系マウンテンバイク日本最速店長
 
と呼ばねばなるまい…
 
 
そして
 
 
sda201219
今回初出場のタカキ氏、100km年代別(50代)3位!(写真右)
 
 
私以外はスバラシ過ぎる結果となった。
 
 
もちろん私とは練習量がまったく違うのでアタリマエの結果と言えるのだが、
とにかく心からおめでとうと言いたい。
 
 
 
 
表彰式も終了し、ハイエースとデリカD5は帰路につく。
 
 

 
 
sda201226
19号線に出てすぐの道の駅を出発する頃にはすっかり暗くなっていた。
 
 
 
今回もいつもの如く、多賀サービスエリアまで走り、ハイウェイホテルで宿泊して
翌朝九州に向って出発する予定だ。
 
 
 
 
私以外は。
 
 
 
 

 
 
 
SDA in 王滝に出場しました
 

 
練習不足で苦労しました
 

 
でもなんとか完走しました
 

 
おわり

 
 
 
こんな内容で「車界学」を更新してしまっては、またもや読者の皆様から
 
 
ゲリラ豪雨の如き批判を浴びせられるのは火を見るより明らかだ。
 
 
そして何より、
 
 
去年落したボトルがまだ見つかっていない!
 
 
 
 
そこで、もう一度コースに入ってボトルを探すことにした。
 
 
私は王滝村で居残り補修だ。
  
 
 
 
明けて2012年9月17日(敬老の日)
 
 
 
 
 
 
 
sda201213
 
OSJクロスマウンテンマラソンに出走!!
 
 
SDA王滝の翌日にMTBレースのコースを一部使って開催されるマウンテンマラソン。
 
 
 
距離はもちろん漢の42km!!
 
 
しかも、雨!
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
当然ながら自転車で100km走った翌日にフルマラソンを走ったことなどあるハズもない。 
 
 
 
sda201227
さらにオフロードで山を2回越えなければならないという超ハードコース。
 
 
さらにさらに!
 
 
何があっても8時間以内にゴールしないと帰りの電車に間に合わない(爆
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
まさに未体験ゾーン。
 
 
これぞまさにセルフディスカバリーアドベンチャー。
 
 
 
 
 
午前7時00分。
 
 
ネタ探しの旅が始まった。
 
 
 
 

 
 
その4に続く>>

その他, 自転車