最悪にして最高の一日【完結編】
「弁当のヒライ」で肉うどんといなりで補給を完了した我々。
さて…そろそろ…
という雰囲気になって来たところで、今後の戦略を打ち合わせ。
時刻は13時40分。
草千里チェックポイントの関門は14時。
普通に自転車で登れば1時間くらいはかかるだろう。
関門時間には間違いなく間に合わない。
マラソン大会等であれば、関門アウトになったら回収バスに乗ってスタート地点に戻るのだが、これは「九州HeavenRide」。
自己責任で判断し、行動するジェントルマン達のイベントなのだ。
一番の懸案は
「日没までに戻れるか?」
だ。
このまま草千里を目指したら間違いなく小国へ戻る前に日没だ。
もちろんライトは装備しているが、できれば雨中の夜間ライドは避けたい。
土橋塾長は重々しく口を開いた…
「帰ろっか!」
根性出して走るのも大事だけど、オトナの遊びは引き際も肝心。
決して「サザエさん」に間に合うために引き返すのではない!
最短ルートで小国へ戻ることに決定。
連絡用SNSに「リタイヤして戻ります」と投稿してからヒライを出発。
びしょ濡れの我々(と、もう一チーム)をイヤな顔せず受け入れて下さった弁当のヒライ坊中店の方々には感謝だ。
出発して程なくするとまた雨が本降りになる。
土橋塾長、YOSUKE、筆者の順で走る。
空気抵抗は減るものの、リアタイヤが跳ね上げるしぶきが顔を直撃。
口の中は常に砂でジャリジャリ(笑)
スタート直後から雨水を飲んでいるのでボトルの水は半分くらい残っている。
時折「うがい」に使いながら走る。
このコンディションの中、塾長は30km/h以上で巡航し我々を引き続けて大観峰への登り口に到着。
さて、ここから最後の戦いだ…
大事な大事な、アタックチャぁ〜ンス!
がはぁっ!(吐血)
過去に何度もクルマやバイクで通っている、勾配がキツいのは百も承知なだけに…
そしてさらに、これまでの行程で蓄積された疲労が…
ちなみにここ1年でロードバイクに乗った距離は200km程度(噴飯!)
ナメてるとしか言いようがない…自業自得。
塾長とYOSUKEを待たせつつ、ミルクロードまで登り切り、小国へ向かって下る。
無事に登り切った我々を祝福するかの如く、雨はあがり
薄日まで差して来た…
がはぁっ!(吐血)
わざととしか思えない…
一度休憩を入れてからスタート地点の「木魂館」に戻って来た…時刻は16時。
日没前に生きて帰ってくることができた…
さて…最後の一仕事だ。
リタイヤしたとはいえチーム全員で自力で戻ってきたことを祝福しながらゴールしなければならない。
これはジェントルマン達のためのイベントなのだ。
雨もあがっていたのでレインウェアを脱ぎ、塾長が準備していたシャンパングラスを片手にゴール地点へ向かう
↑こういうイメージ
いよいよゴール。
ずっと冷たい雨が降る中、スタートから約7時間半を経て俺たちは戻って来たのだ…
公式には完走にはならないけど、俺たちにとっては栄光のゴールだ。
ありがとう、最高の1日だったよ。
さぁ行こう、ゴールに向かって…
俺たちのゴールへ
おっと…
おっとっと
ちょっ…ドバっさん!
うわわわわ
うわぁーーーーっ!
(photo by 狩野テンメイ)
落車ーーーーーーーーーーっ!
ぐはあぁっ!(吐血)
2016年12月4日 九州HeavenRide2016
土橋塾自転車競技部、ゴール手前でリタイヤ。