エース、復活の日。【後編】
アタックチャぁ〜ンス!
がはぁっ!(吐血)
地蔵峠は「地獄峠」と言われるほどの峠だ。
昼飯直後で食物の消化に忙しい身体で時折現れる10%超えの坂を
上らなければならないのだ。
しかも…暑い。
走っているサイクリスト達も皆キツそうだ…
このあたりに来て筆者の身体はちょっとヤバくなってきた。
過去に阿蘇望を走った時はロードレーサーだった。
今乗っているマウンテンバイクもカーボンフレームで軽い部類なのだが
重量は約11kg。
ロードレーサーが8kgちょっとだったので3kgも重いことになる。
そして、さらに…
今回は減量していなかったため、体重は63kg。
最初に阿蘇望に出た時はキッチリ減量して58.5kgまで落して臨んでいたので
体重は4.5kg増。
合わせて7.5kgも重いことになる(爆)
いくら経験を積んだからといって、7.5kgのウエイトは重過ぎる…
1週間前のウキウキサイクリング後、疲労回復のためと結構喰っていたことを
心から後悔した。
さて、そんな言い訳を考えてみるも、地蔵峠はまだ半分も終わっていない。
一緒に走っていたミヤモッチ氏が口元に笑みを浮かべながら言った。
「なんか脚に力が甦ってきました」
がはぁっ!(吐血)
どうやら、調子が悪かったのではなく、ただ腹が減っていただけのようだ…
ダブルエース体制は私一人のエース体制に変更となった。
こんな感じで私をアシスト(引きずり回し)してくれる
コッソリペースを落そうとしても
すぐにチェックが入ってアシストされる…
がはぁっ!(吐血)
アンタら…鬼や。
身体が重い、風が止むと暑い…
こういう坂を上っているといつも思う。
引き返してクーラーの効いたクルマで家に帰りたい!
しかし、二人のアシストがそれを許してくれなかった。
前方にbb1さんがカメラを構えているのが見えた…
アシストの引きから抜け出しゴールスプリントするエースみたいな
感じで…
って、何やらすんですかっ!?
がはぁっ!(吐血)
bb1さん撮影、阿蘇望の地蔵峠をよく表した秀逸な写真。
今みてもキツくなってくる…(笑)
途中のエイドに立ち寄る、今日は水の消費量が多い。
最高点に到達したところで記念撮影。
3つ目を上り切った。
西原村に向って豪快にダウンヒル。
ミヤモッチ氏とD-kk氏は下りなのにペダル回してガンガン下って行く。
筆者はなるべく疲れることをしないように惰性で下った…
下りは快適なのだが、高度が下がるにつれて気温もどんどん上がって来た。
コース上で標高が最低地点となる西原村はかなり暑い。
ここから県道のダラダラと続く上り坂をダラダラと上り続けなければならない。
俵山が最後の峠だが、もうここから始まっていると言っても良いだろう。
最後のエイドで給水し、CCレモンを補給して出発。
最後の俵山を望む。
いよいよ最後だ、大事な大事な…
アタックチャぁ〜ンス!
がはぁっ!(吐血)
MTBの利点を活かし、容赦なく一番軽いギアに落してクルクル回しながら上る。
一番軽いギアなので回してもあまり前に進まないのだが…
なにか雑談でもして気を紛らわせたいのだが、
喋る気力がない…
途中で、Yさんが撮ってくれていた写真がコレ
多くのロードレーサー達を引き連れて上る図。
オレ、もう死んどるな…
前の二人は笑っとるし…
ミヤモッチ氏の「あともうちょっとです攻撃」を受けながらも少しずつ上る。
※「あともうちょっとです攻撃」とは、あとちょっとではないこと(笑)
そして、そして…ついに
俵山展望所に到着〜っ!
最後の通過チェックを受けて、出発。
絶景の俵山はちょっと路面が荒れ気味だがMTBなので遠慮なく下れる。
アシストの二人はまたガンガンペダル回して見えなくなってしまった…
しかし、下り切ったところで待ってくれていた。
先に行ってくれててよかったのに…
ここから久木野までは下り基調、しかも追い風なので快適…
な、ハズなのに…
またしても40km/h前後で引きずり回し…
がはぁっ!(吐血)
おわった…
あっと言う間に久木野に到着した。
サイクルマラソン阿蘇望がおわった、
はずだった。
しかし、ここからアスペクタへ向って
アタックチャぁ〜ンス!
がはぁっ!(吐血)
この坂を上らなければゴールに着けないし、クルマも上の駐車場だ…
もう…漕げない…
歩くようなスピードで最後の坂を上りきり、アスペクタへ。
ゴール前の最後の坂を上りきって…
ゴーーーーーーーール!
125km、5時間57分
念願の、サイクルマラソン阿蘇望完走を果たした。
先週のウキウキサイクリングを合わせて310kmだ(笑)
エースを中心にアシスト陣と記念撮影。
阿蘇望を完走し、心に引っかかっていたものが取れ、
これでようやく「卒業」することができるという解放感に
包まれながら帰る準備をした。
自転車をクルマに積み込んで、帰る準備をし、私は2人に言った。
「さぁ温泉入って帰りましょうか〜」
※参加者には周辺の温泉の無料入浴券が付いて来る
Daijyaman kk氏 「そうですね、温泉行きましょう」
ミヤモッチ氏「いや、私は着替えを持って来てないんで」
は?
実はミヤモッチ氏、片道70km弱の自宅から
自走で来ていた!
ぐはぁっ!(吐血)
自宅に向って颯爽と走り去って行くミヤモッチ氏を見送った…
この日俵山を3回越えて走行距離は260kmだったそうだ。
付き合う人は選んだ方がいいな…
健康を害する恐れがありますので、自転車の乗り過ぎに注意しましょう。
おしまい。