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Archive for 5月, 2009

鬼門 〜3〜

5月 28th, 2009

その1はコチラ>>
その2はコチラ>>
 
 
 
残りのパワーは僅かだ。
 
最後まで持たせたい。
 
 
前からエントラントが近づいて来る。
 
 
ドラフティングとみなされないように、時間をかけずに追い越す。
 
 
 
折り返してからは10人以上抜いているが、抜かれたのは2人くらい。
  
とはいえ、リレー以外のエントラントはバイクの後にラン10kmが
控えているので体力を温存しなければならないワケで、
私が速いワケでは決してない(笑) 
 
 
 
相変わらず、コースマーシャルはオートバイで神出鬼没に現れる
 
マーシャルの方が乗るオートバイは基本的に国産車が多かったが、中には
 
 
ktm640
KTM 640Adventureに乗ったマーシャルの方も居たりして、
車界学者的には嬉しくて写真撮りたかったが、最早そんな気力も体力も
残っていなかった(笑)
※写真は2003年モデルだが、カラーリング的に2002年モデルだったかもしれない(え、どうでもいい?・笑)

 
 
それでも、なんとかこのままゴールまで辿りつきたい。
 
チームメイトのため、ネタのため(笑)
 
 
平地でも巡航速度は35km/h前後に落ちてしまった。
 
 
向かい風区間をやり過ごすために臨時で使うつもりだったDHバーは
ついに終始握りっ放しだった(笑)
 
 
もうすぐゴールのはずだが、もうパワーは残っていない。
 
 
 
 
 
最後の上りにさしかかる。
 
足は売り切れ、スピードは一気に10km/h台に落ちる。
 
 
息が切れる…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
dyson
 
もう、漕げない…
 
 
 
 
 
 
沿道の人達が「はい、ラストよ〜!」と声をかけてくれる!
 
 
あと20mで頂上だ。
 
後ろを振り返ると
 
 
5人くらい迫って来ている!
 
 
ヤベェ! 
 
 
ヤケクソで(笑)ギアをアウターに入れ、ペダルを踏みつける。
 
 
頂上を通過してもなお加速する。
 
 
なんとか抜かれずに済んだ…
 
 
 
imgp4152
疲労困憊の状態でゴール地点に戻って来た筆者。
 
 
imgp2204
センサーを外して、ラン担当のY女史に付け替える。
 
 
Y女史を送り出して、やっと私の仕事は終わった。
 

結局復路は
32分31秒
平均時速36.7km/h
 
 
全体のタイムが1時間11分54秒(手動計測)
平均時速33.4km
バイクの順位は11位だった。
 
もう一踏ん張りしていれば10位以内に入れたか…?
 
まぁ、これが実力ってことで、来年は10位以内の
1時間10分切りを目指してがんばろう。
 
…って、来年もまた出んの?俺(爆)
 
 
 
とりあえず、密かに目標としていた平均時速30km/hで
1時間20分切りは達成することができた。
 
これは練習の成果ってヤツだろうか?(レベルは低いけど・笑)
 
 
私の心の中の「天草」から鬼が去って行った気がした。
 
 
 
充実感いっぱいのまま、ゴール地点に移動する
 
 
imgp2860
ゴール地点の競技場は非常に盛り上がっていた。
 
 
 
imgp4210
エントラント向けのエイドでゼリーを食べる筆者。
 
半分凍っていて、絶妙な美味さ。
 
3個も喰ってしまった(笑)
 
 
そんな中、ひときわ大きな声援を受けてもう一人のスペシャルゲスト
51.5kmを完走してゴールに飛び込んで来た。
 
 
imgp2858
安田大サーカスの団長さんと、ケアするメンバー。
 
自転車芸人としてもすっかり有名である。
さすがに芸人さんで、キツいのに会場を盛り上げていらっしゃった。
 
 
 
さて、そんな我々即席初対面チーム(笑)は、
完走53チーム中の18位
 
 
ナニゲに上位1/3付近やん(笑)
 
上出来上出来。
 
 
 
そして、S師匠/ナガタ君擁するチームは今回、ラン担当に
16才の現役陸上部を迎えるという掟破り作戦(笑)も功を奏し、
 
 
img_8734
 
見事、2位表彰台ゲット!
 
 
 
imgp2869
輝く銀メダル、素晴らしい。
 
 
 
 
私の中の天草は「鬼門」ではなくなった。
 
 

しかし、51.5kmを完走して疲労困憊のなか笑顔で会話しているエントラントを
見ていると、
 
 
トライアスロンはやっぱり3種目を一人でやってこそのトライスロンという
 
気がした。
 
 
 
俺の膝はランに耐えられるのか?
 
もういちど少しずつ走る練習と水泳の練習を始めてみようかな?
 
 
と思いつつ、天草トライアスロンの会場を後にした。
 
 
 
 

もちろん、帰路は
 
imgp2876 
屋根を開けて天草パールラインを満喫
 
悪りぃねぇ〜俺だけ楽しんじゃって!
 
最高ですわ。
 
 
 
 
疲労した足で踏み込むクラッチ・ペダルもまた一興(←バカ)
 
 
 
imgp2896
帰り道では雨に降られるものの…
 
 
屋根は閉めないぜ!(爆)
 
 
 
 
なんとか夕暮れ前に帰宅し、そのままプルプルする足で娘と近所の公園に遊びに行ったとさ。
 
 
 
筆者は今年3月で37歳になったが、まだ練習すれば「伸びしろ」はあるようだ。
 
 
 
天草トライアスロン、来年は平成22年5月30日(日)に開催が決定している。
リレークラスはクロスバイクやマウンテンバイクでも参加が認められているので、
ネタで参加してみるのも良いかもしれない。
 
水泳が得意な人と日常的にランニングしている人を連れて来て、アナタが
自転車で走ればもう参加できる。
 
 
リレーだろうがなんだろうが
 
「天草トライアスロンに出るんですよ〜」
 
と言えば、周囲はアナタをヘンタイを見るような目で見るだろう(笑)
 
 
 
 
アナタもご一緒にいかがでしょうか?
 
 
 
 
おしまい。
 
 
 
 

自転車

鬼門 〜2〜

5月 27th, 2009

その1はコチラ>>
 
 
実は今回、私は珍しく…
 
 
練習した。
 
 
 
顔も知らないチームメイトの足を引っ張らないためにも、天草の向かい風に対してなんとか対策を
せねばならないと思ったのである。
 
 
 
私は家の近所にある干拓地を仮想天草のコースとして練習場所に選んだ。
 
 
p5251287
堤防の道路を走って、戻る。
 
往復どちらかは、必ず向かい風である(笑)
 
 
ただ、ひたすら直線。
  
海か田んぼしか見えない、退屈極まりない風景。
 
 
普段なら絶対来ない場所である(笑)
 
 
 
そんな退屈な場所に毎日のように通い、下ハンドルを持って向かい風に
向ってペダルを回し続けた。
 
 
まさに私にとっては
 
虎の穴か?
 
影道地獄谷か?
 
とも例えられる場所となった。
 
 
 
そしてさらに、
 
 
imgp2873
機材にも頼ってみた。
 
 
imgp2874
DHバーと呼ばれるハンドルを取り付けて、プチタイムトライアル仕様にしてみた。
角みたいに伸びた部分を握って身体の前面投影面積を少なくして空気抵抗の低減を図る
パーツである。
 
※上に跳ね上がっている黒いパーツは肘を置くためのパッドでこれは折り畳まれた状態。
 
 
もちろん、借り物だ(爆)
 
 
 
きっと…
 
 
levi
リーヴァイ・ライプハイマーのように走れるはずだ!
 
 
 
 
足の筋肉が全然違うな…
 
 
 
 
 
 
さて、そんな感じで練習はしたものの、やっぱり不安と緊張でイマイチ落ち着かない状態のまま
リレー部門がスタートした。
 
 
最初のスイムは1.5km。
 
30分くらいで戻って来るはずだ。
 
 
なんとなく落ち着かない時間を過ごしていると、たこやきラバーを着た
S師匠が戻って来て、バイク担当のナガタ君にバトン替わりのセンサーを
付け替え、ナガタ君がスタートした。
 
S師匠、相変わらず速いものの今回は一着ではなかった。
 
やはり強者揃いの大会なのか?
 
緊張が高まる。
 
 
img_8548
 
もう緊張しまくって落ち着かない筆者(笑)
 
 
 
 
やがて、スイム担当のK君が戻って来た!
 
 
海で泳ぐのは初めてだったというK君は24番手で
上がって来た。
 
上出来。
 
 
足首にセンサーを巻いて、バイクをラックから降ろし
スタートした。
 
 
バイクのスタート地点付近には
 
imgp2819
キヤノンEOS40DにLレンズ(EF70-200mmF2.8USM)を装着したHIDEKIが居ることを
チェックしていた私は
 
 
 
img_8571
 
歯を食いしばってスタートしてみたが、
 
 
 
なんかワザとらしかった(爆)
 
 
 
 
 
スタート直後の上り坂を明らかにオーバーペースで上り(笑)
 
 
坂を下れば…
 
 
やってきました、向かい風(爆)
 
 
山じゃないけど
 
 
 
attack3.jpg
アタックチャぁーンス!
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
わかっちゃいたけど、キツい〜
 
 
しかし、向かい風がキツいのは皆同じ。
 
 
今こそ、影道地獄谷での特訓の成果を見せる時だ!
 
最初からDHバーを持って向かい風に立ち向かう。
 
 
トライアスロンは前走車を風除けに使うドラフティングは禁止である。
 
 
オートバイに二人乗りしたマーシャルが、つねに往来し
映画・マトリックスに出て来たセンチネルのように
ドラフティングに目を光らせる。
 
 
前走車とは7メートル以上空けるか、追い越さなければならない。
 
ドラフティングしたと認められると、ペナルティを命じられ、その場で停止させられる。
 
 
 
とりあえず、追い越せ。
 
 
 
ペダルを踏みつけた。
 
 
 
DHバーはかなり効果があるようだ。
いや、それもあるが、この大会は公道を封鎖しての
レースなので沿道では地元の方々が応援して
くれている。
 
だから、手が抜けない(笑)
 
 
中学生の集団が大声援を送ってくれる。
 
 
応えねばならん! 
 
手を挙げて
 
「ありがとぉ〜う!」
 
と応えると、彼らはさらに大きな声援をくれた。
 
 
 
 
向かい風は吹いているものの、サイクルコンピュータの平均時速は
30km/h以上の数値をキープしている。
 
 
 
このままなんとか折り返し地点まで辿り着きたい。
 
 
 
後ろから風切り音を伴って、熊本のyuujiさんが追い越して行った
 
速度差は5〜6kmくらいあるだろうか?
さすがに速い。
 
 
ジワジワと差が広がって行く…
  
 
先にスタートしていたナガタ君とすれ違う。
もう折り返したのか?さすがに速い!
 
 
折り返したら追い風になるはずだ、少しペースアップする。
 
 
その時。
 
 
 
両脚のフクラハギが攣りそうになった!
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
ここで攣ってもらっては困る…

 
フクラハギ様のご機嫌を探るように慎重にペダルを回す。
 
 
 
フクラハギ様を怒らせないように…
 
 
 
ここは一つ、穏便に…
 
 
 
 
治まってきた(笑)
 
 
 
 
よぉ〜し!復活!
 
 
 
 
 
そして、20kmの折り返し地点に到着。
 
 
39分22秒
平均時速30.4km
 
かろうじて平均30km/hをキープ。
 
 
 
さて、ここからはいよいよお待ちかねの
 
 
 
追い風区間ですよ!奥さん!!
 
 
耳に聞こえる風切り音は同じでも、スピードメーターの数値はプラス10km/hを
示している(笑)
 
 
imgp2851
普段は絶対無理な47km/hとかで巡航してますよ!!(爆)
 
 
楽し〜い!
 
 
俺ってもしかして天才!?
 
 
俺ってもしかして
 
 
levi
リーヴァイ・ライプハイマーみたいに走ってる!?
 
 
みたいな(←バカ)
 
※ホンモノは追い風じゃなくても50km/h以上で走ります
 
 
 
 
 
imgp2855
ジャージのバックポケットからカメラを取り出して、メーターの写真を
撮っていても40km/h以上出ているという…(笑)
 
メーターが汚れているのは、汗とかボトルの水とか鼻水とか…(キタネェ)
 
 
そんな余裕も長くはもたず、
 
追い風と調子に乗って走っているものの、前半の向かい風区間での疲労も合わせて
ジワジワと効いてきた。
 
 
アップダウン程度のちょっとした上り坂で大きく失速するようになってきた。
 
いかん…
 
ここまで来たんだから、なんとかゴールまで持たせたい。 
 
 
沿道の皆さんからは相変わらずの声援。
 
 
できるだけ、手を挙げたり「ありがとう」と返事をしながら走る。
 
 
 
往路で大声援を送ってくれた中学生達が、また大声援を送ってくれる
 
 
 
応えねばならん!
 
 
私は手を挙げて応えた、
 
 
 
 
 
「はひがとぉほ…」
 
 
  
 
 
残りのパワーは僅かだ。
 
 
 
 
続く>>
 
 
 

自転車

鬼門 〜1〜

5月 26th, 2009

2009年3月28日。
 
私の携帯電話にメールが来た。
 
 
ナガタくんである。
 
そう、先のサイクルマラソン天草において、膝痛を押して参加している私を
序盤からハイペースで引きずり回した男である。
 
 
嫌な予感がした。
 
 
的中した。
 
 
彼からのメールには
 
「天草トライアスロンのリレー部門でバイクパートを走ってくれ」
 
という内容が書かれていた…
 
 
ナガタ君の友人がリレー部門に出場しようとしていて、スイムとランの担当は居るが、バイクが居ないと。
 
 
そこで、暇そうにしている私に白羽の矢が立ったというわけだ。
 
 
さらに彼は
 
「バイクは40kmだから膝痛タイマーは大丈夫でしょ?ネタ作りにもどうですか?」
 
 
と、書いている。
  
 
人生はネタ
 
 
とは良く口にするものの、最近それを逆手に取って私に無理難題をふっかけてくる人が
多い気がしないでもない(爆)
 
 
 
天草といえば、向かい風である。
 
 
3月のサイクルマラソン天草でも強烈な向かい風に苦しめられ、うんざりしていたあの
天草の向かい風。
  
私にとって天草はまさしく「鬼門」と言えた。
 
 
しかし、ここでこの依頼を断ってしまっては、ブログネタにならないので(笑)
結局快諾した(爆)
 
 
 
2009年5月24日午前5時32分。
 
imgp2805
待ち合わせ場所だった、上天草市大矢野にある
「べんとうのヒライ」
から我々は出発した。
 
 
走ること1時間。
imgp2809
本渡市の海水浴場に到着。
 
 
imgp2834
このゼッケンに書いてある通り、天草トライアスロンとは海外から選手が来るような大会なのである。
 
 
imgp2825
インターナショナルなムードが漂う。
 
 
さらに今回は25回記念大会ということもあり、こんな人もエントリーしていた…
 
imgp2811
回りのエントラントと記念撮影に応じる
リサ・ステッグマイヤーさん
 
リサ・スティッグマイヤーではなくステッグマイヤーだということを、かの関根勤氏
力説されていたのを思い出した。
 
もちろん筆者も一緒に写真を撮らせてもらったが、あまりにも鼻の下が伸びていて観るに耐えないので、
掲載を控えさせていただくことにした(爆)
 
 
さて、トライアスロンといえば
 
 
p090526
腕とか足に書かれるゼッケンナンバー
※写真はこの日スプリントディスタンスに出場して見事に初トライアスロンを
 完走したmcfm氏とmika女史
 
 
エリートクラス(いわゆる速い人達)はこういう手書きではなく
 
imgp2827
中学校時代にカセットテープのインデックスカードに転写していたようなキレイな文字である(笑)
 
 
ちなみにこの足は、
 
 
imgp2828
エリートクラスにエントリーのN氏(写真中央)である。 
 
N氏は、筆者の自転車の師匠であるd-world師匠の自転車の師匠である。
 
 
 
エリートクラス、エイジクラスのスタートを経て、いよいよ筆者が出走するリレークラスの
スタート時間が迫る。
 
 
 
imgp2843
あのレーザーレーサーに対抗する水着として開発された
「たこやきラバー」製の水着を来てスタンバイする水泳のS師匠(ゴツいよ)と
可愛いハートマークの派手なジャージで目立ちまくりのTANGO女史。
 
 
 
img_8468
まったく気合いが感じられないストレッチをしているようなポーズをとる筆者(爆)
 
 
 
実は、非常に緊張していた。
 
 
いつもはサイクルマラソンなどのレースではないイベントばかり、オートポリスの耐久も個人競技。
 
今回のようなリレー形式の競技、しかも、スイムとランを担当する選手とは
 
この日が初対面だったのである。
 
 
一応「結果には拘らないチームだから」とは聞いていたものの、
 
 
 
足を引っ張ることだけはしたくない!
 
 
 
アタマの中に浮かぶのは
 
 
ゴワァ!と吹いて来る天草の向かい風に
ヘロヘロと失速する自分…
 
その横をブチ抜いて行く他のエントラント…
 
 
マイナスなイメージしか浮かばない(爆)
 
 
 
スタート時間は迫っていた。
 
 
その2へ続く>>
 
 
 

 
 

自転車