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Archive for 8月, 2013

俺の夏2013 完結編

8月 9th, 2013
俺の夏2013 完結編 はコメントを受け付けていません

<<その6はこちら
 
残りゴーテンハチキロ??
 
 
さっき「残り6km」と言われてから50分以上経っているのに
200mしか進んでいないのか…?(笑)
 
 
時計をみると9時間30分を過ぎている。
 
 
もう無理だ…
 
 
10時間切りの目標は、無惨に砕け散ってしまった。
 
あの男性スタッフが言ったのはショートコースの残り距離だったらしい。
 
 
 
10時間切りが夢となり、一気に力が抜けようとするものの
ここからは霧島の池の周りを走るトレッキングコースで、ハイカーさんが多くなり
私の姿を見るなり「がんばってくださーい!」と声援をもらう。
 
 
しばらく進むと今度は
 
 
ビデオカメラを構えたムービー撮影部隊が!
 
 
この場所だと皆疲れて歩いているハズだから、
 
 
ここは走っておかないと!
 
 
ということで、残り少ないパワーを使ってカメラの前だけ走る!
 
 
しかし、走っているつもりでウデは振るが、脚が上がっていない(笑)
 
 
そんな感じでカメラの前だけ一生懸命走ることを3回程繰り返し(爆)、
池の周りのトレイルへ。
 
 
ここで前方にポニーテール発見!
 
 
kyoto24
補助パワー始動!
 
 
U子ちゃんに追い付くものの、何か様子がおかしい。
 
 
聞けば「足にマメができて痛い」と…
 
 
上りで歩く時は、ハリーキャラハンに太腿を刺されたサソリのように
ちょっと足を引きずるように歩いているが、それでも平地や下りは
一生懸命走っている。
 
 
 
その姿を見て私は思った
 
 
 
「俺は人事を尽くしているのか?」
 
 
 
ここまでの行程を振り返ると、
 
下りでヘバっているたびにU子ちゃんのポニーテールで補助パワー始動。
 
細かいアップダウンを繰り返す区間でGさんとK子さんに引いてもらいペースを維持。
 
 
結局、
 
 
俺はずっとチャンネーのツーケーを追いかけていただけじゃねーか!(自爆)
 
 
 
10時間切りは無理だったが、俺はまだ人事を尽くしてはいない。
 
 
 
kirishima32
また階段か…
 
脚は上がらないがまだ上れる。
 
 
階段トレーニングの成果があるのだろう。
 
 
左手に六観音御池の澄んだ水面を見ながら走る。
 
 
ゴールまであとわずかだ、後悔しないようにすべてを出し切ろう。
 
 
疲れたなんてものではない、気力で走っているようなものだ。
 
 
だが、ゴールは確実に近づいている!
 
 
よーし、このまま行くぜ!
 
 
 
 
 
 
 
スタッフが二人現れた。
 
 
 
「コチラでーす!」
 
 
と元気よく右手に誘導される
 
 
そこには
 
 
「白鳥山登山口」
 
 
の看板が…
 
 
そう、これは最後の最後にやってくる
 
 
longcourse2
コース最高地点への上り…いや、登りだ。
 
 
 
 
参りましょう、慎重かつ大胆に。
 
 
 

 
 
 
attack2.jpg
アタック・・・・
 
 
attack3.jpg
チャぁーンス!
 
 
がはぁっ(吐血)
 
 
な…なんじゃこの急勾配は!?
 
 
 
dyson1
も…もう登れない…
 
 
眼前には斜面しか見えない。
 
 
 

 
 
何度も折り返しながら少しずつ登る…
 
 
 
 
ちょ…マジ、高木さんっ!!!
 
 
 
だ…だめだ…
 
 
 
この時、脳内音楽プレイヤーが自動選曲したのは ↓コレ(1分4秒)
※ボリューム大きめで! 
 

 
 
 
なーんのーたーめにー安らぎにー背を向けてー♪
 
 
あまりにもハマり過ぎて、一人でニヤついてしまった…
 
 
 
 
眺めの良い場所まで登るがまだ終わりではないらしい、
緩い登りのシングルトラックを走る。
  
 
ガレ気味の場所に出た。
 
 
どうやらこれが白鳥山の山頂らしい。
 
 
kirishima5
↑この、何もアングルを検討することなく
「ただ撮っただけ」が伺える写真から私の
疲労度と精神状態がわかる(笑)
 
 
kirishima31
結局、第二関門直後の硫黄山から池を挟んで反対側まで
来たようだ…
 
 
 
 
スタッフが居る
 
 
「もうあとは下りです!」
 
 

ここからの下りが石がゴロゴロしていてまた微妙
 
 
 
もう最後だ、できるだけ走ろう。
 
 
 
よーし、歌でも歌おうじゃないか!
 
 
 
scorpio1
こーげ、こーげ、こーげよ!
ボート漕ーげよー!
 
ランランランラン川下ーりー! 

 
 
 
だっ…ダメだ…、もう壊れてきた。
 
 
ハイカーさんとすれ違う。
 
 
「がんばれがんばれー!」
 
 
と笑顔で励ましてくれる…
 
 
ありがとうございます。
 
 
 
どれくらい走っただろうか…ついに、えびの高原荘前の公道に出た!
 
 
道を横断して歩道を走る。
 
 
 
 
メイン会場までもう数百メートル。
 
 
 
林の中を走ってついにゴールゲートが見えた。
 
 
 
俺は帰って来た。
 
 
 
芝生の広場をゲートに向って走るのは私一人。
 
 
大会のMCが、「またランナーが一人帰って来たぁ!」と盛り上げてくれ、
束の間の主役気分を味わいつつ、武藤敬司バリに「LOVEプロレス」ポーズ!
(多分誰も見てなかっただろうけど・笑)
  
 
60kmという距離を走った後だ、
 
脳内BGMは「炎のランナーのテーマ」になったりして、
万感の思いがこみ上げてきて涙なんかでてきちゃったりする
んだろうか?とか思ったが…
 
  
  
別にそんな感じではなかった(笑)
 
 
 
 
MCに名前をコールされてゲートをくぐった…
 
 
 
kirishima3
10時間42分00秒(制限時間は14時間ー19:00)
 
10時間は切れなかったけど
 
 
とても気持ちがいい。
 
 
この瞬間の、この感覚を味わうために俺はこんなキツいことをして来たんだ。
 
 
 
 
ゴール地点に居たso君の奥さんやmcfm氏の奥さんから労いの言葉をもらう。
 
 
ありがとう。
 
 
 
普段は飲まない赤いコカコーラを思い切り飲む。
 
 
美味い!
 
 
途中で引っ張ってくれたGさんとKさん、補助パワーを起動させてくれたU子ちゃん、
練習に付き合ってくれた仲間達、途中で励ましてくれたボランティアの方々や
ハイカーさん達、そしてネタに付き合ってくれた家族に感謝した。
 
 
終わった…
 
 
kirishima2
会場に立ててあった幟がふと目に入った
 
「九州爆走女」
 
なにやら物騒な名前だな…
 
 
ああ、そういえば、U子ちゃんのTシャツにはこのロゴが入っていた…
 
 
なるほど…な…
 
 
もう俺のバッテリー残量も残り僅かになってきた…
 
 
 

大会主催者であり、コースプロデューサーである高木さんを見つけた
 
 
ゴールまでの行程を思い出しながら、 
私は最後の力を振り絞って、彼に言った…
 
 
 
 
「殺す気…か…?」
 
 
 
 
 
 
俺の夏が終わった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
kirishima41
 
 
 
 
 

 
 
おまけ…
 
 
後日公開された今大会のダイジェスト版動画。
大会の雰囲気が伝わってきます。(3分56秒)
 
ちなみに私も、無駄にパワーを振り絞ってアピールした
甲斐あって1:42と2:35の2回に1秒だけ登場します(爆)
 
これを観ればあなたも来年出場したくなるハズ!
  

 
 
 
高木さんを始めとする大会関係者、自治体、県警の皆様、
ボランティアの皆様、ありがとうございました。
 
文字通り、エクストリームな大会でした。
 
 
来年は10時間切りを目指して…、いやいや、こんなキツイ大会もう出ません!(爆)
 
 
 
 
 
おしまい
 
 

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俺の夏2013 その6

8月 8th, 2013
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<<その5はコチラ
 
 
kirishima7
最終エイド。
 
 
関門の通過チェックを受けてから、空になりかかっていた
ハイドレーションバッグに水とアミノバリューを補充。
 
バナナなども頂きつつ小休止。
 
ここで初めてU子ちゃんと「申し遅れました…私はこういうものです…」と
自己紹介をし合う(笑)
 
 
時計を見ると7時間56分。(12時56分)
 
 
残り10kmを2時間で行ければ10時間が切れる!
 
 
 
そう、私はこの霧島・えびの高原エクストリームトレイルに挑むに
あたって「10時間以内に完走」という目標を立てていたのだ。
 
もちろん第一回なので目安となるタイムもわからず、獲得標高と
距離でテキトーに立てた目標だ(笑)
 
 
残り10km…
 
 
ロードのマラソンであれば疲れていても1時間はかからない距離だが、
これはトレラン、
 
 
しかも、ここからは…
 
 
 
longcourse2
大会コース中最強(最狂)の上りプロフィール!!
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
高木さぁ〜ん…お願いしますよ〜マジで…
 
 
 
意を決して最終エイドを出発。
 
 
U子ちゃんは先に出発したようだ。
 
 
エイドを出てアスファルトを少し下って、公道を横断。
 
 
ボランティアの方が安全を確保して横断させてくれる…
この炎天下の中本当にありがたい。
 
「お疲れさまです!ありがとうございます!」 
 
と声をかけた私に、ボランティアの方は元気よくにこやかに
 
 
「こちらでーす!」
 
 
と言って、誘導してくれた。
 
 
 
私の視界に飛び込んできたものは…
 
 
 
 
 
kirishima6
 
石段
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
ここへ来て、10時間切りに向けて急いでいるのに石段ですか??
 
 
高木さん、カンベンして下さいよ、マジで。
 
 
 
ここまで8時間、50kmを走って(歩いて)来た身にはかなり堪える石段…
 
脚が上がらない…
 
 
石段をなんとか上りきり、アスファルトをちょっと下ってトレイルに入る。
 
 
下りになって先ほどから気になっている問題がより顕著になって来た。
 
 
右足内側くるぶし付近が痛い。
 
 
これは足首に貼っているテーピングのせいで、先日の講習会で「引っ張り過ないこと」
散々注意されていたにも関わらず、貼る際にひっぱり過ぎていたようで水膨れに
なってきていたようだ。
 
途中でもうテーピングを一部剥がして走っていたのだが、やっぱり痛いので
トレイルから一旦外れて靴や靴下で擦れないように絆創膏を貼って応急処置。
 
 
その間にGさんKさんコンビに追い越される。
 
 
 attack34
アタックチャぁ〜ンス!
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
再び走り始めるが、ここからは最強の上りプロフィール。
走るというより「刻む」感じで歩いていくしかない。
 
折れそうになる心、
 
しかし、「もうあとヒトケタkmしか残ってないんだ」と自分に
言い聞かせる。
 
 
10時間を切るんだ。
 
 
 
途中でハイカーさん達の激励を受けつつ、進む。
 
 
 
事前情報で「脚を冷却できるくらいの深さの沢がある」と
聞いていた場所に差し掛かると、GさんKさんの姿が見えた。
 
 
俺も行くか…?
 
いや、前に進もう

 
 
小走りでもなんでも良いから走れるところは走る。
 
 
すると…
 
 
小さい沢を渡るところにボランティアの男性スタッフが
立っていて、私の姿を見るなり言った
 
 
 
「あと6kmでーす」
 
 
 
時計を見ると8時間40分。
 
 
あと6kmを1時間20分。
 
 
 
いける!
 
 
 
しかし、直後には激坂トレイル
 
 
attack34
アタックチャぁ〜ンス!
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
まだまだぁ!
 
 
 
 
 
どのくらい進んだだろうか…
 
 
 
ベップさん、荒木さんのトップ二人とすれ違ったあたりのポイントで9時間前後。
 
 
残りは3kmか?…4kmくらいか?
 
 
 
ひたすら上り続ける。
 
 
 
 
前にボランティアのスタッフが二人居るのが見える。 
 
 
「よし!」
 
 
そのスタッフが二人居る分岐にさしかかると、
 
 
右に行くよう促される。
 
 
私はいつものようにそのスタッフさんに
 
 
「おつかれさまです、ありがとうございます!」
 
 
と声をかけた。
 
 
 
それに応えるようにスタッフさんは言った
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あと5.8kmでーす!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「え、何ナニ??」
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あと5.8kmでーす!」
 
 
 
 
 
 
 
ぐはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
 
 
 
次回完結!
 
 

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俺の夏2013 その5

8月 8th, 2013
俺の夏2013 その5 はコメントを受け付けていません

<<その4はコチラ
 
 
第二関門をスタートしてすぐは上りなので最初から走らない(笑)
 
 
いや…走るつもりもない!
 
 
すでに35kmを走っているが、未体験ゾーンを考慮してセーブしているためか
疲労感は絶望的という程ではない。(かなりあるけど)
 
 
ゴールを目前にすれ違うショートコースのランナーに

「あとちょっとだ!がんばれー!」
 
と声をかけながら「硫黄山」を目指す。
 
 
kirishima9
今までとは違う浮世離れした光景にちょっとテンションが上がる。
 
けど、走りはしない(笑)
 
 
kirishima301
眼下には美しい不動池が見える。
 
 
 
硫黄山を下ると森の中へ…
 
 
30kmのランナーとかなりすれ違うが、皆さん道を譲って下さる…ありがたい。
 
すれ違い様にお互い声を掛け合う。
 
 
こういうのイイネ!
 
 
と思っていたその時!
 
 
前からロングコースの白ゼッケンを着けたランナーがやって来た!
 
 
トップの選手だ!
 
 
ベップさんだ…速い!もう戻って来たのか?
 
すれ違いざまハイタッチ。
 
時計を見ると6時間ちょっと、一体何時間でゴールするんだろう?
 
と思っていると、またロングのゼッケンを着けた人が…
 
今度は招待選手の荒木選手だ、すれ違い様にハイタッチをした彼は
ニコッと笑って「狙います!」と言って走り去った。
 
おそらく二人の間ではゴール前の最後の攻防が行われるのだろう…
 
 
さて、トップのことはさておき、コチラはまだまだ下りが続いている。
 
 
30kmの選手に混じってハイカーさんも多いが、皆さん立ち止まって
道を開けて下さり「がんばれー!」と声援を下さる。
 
本当は我々が譲らなければなければならないのに…本当に感謝である。
 
 
たまにはコッチが譲らないとな…と考えていた時、前方にハイカーさんの姿が
チラっと見えて確認のため、ほんの一瞬だけ路面から目を離した瞬間…
 
 
グギッ!
 
 
と左足首を思い切り挫いた。
 
私はその瞬間なにやら奇声をあげたらしく、前を走るKさんはもとより、
前からきたハイカーさんまで私に「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。
 
ハイカーさんに至っては間髪入れずに「湿布もってるよ」と半分バックパック降ろしかかっているし…(涙)
 
どうやら大丈夫そうなので丁重にお礼を言って(Kさんまでお礼を言ってくれた)、再び走り始めた。
  
実は2日前にニューハレの芥田氏によるテーピングの講習会を受けていて、走るのに必要な方向以外に足が動かないように足首を固定するテーピングを施していたのだ…
 
普段やらないことはやらん方が良いと思ったのだが、貼っておいてよかった…
 
 
さてさて、硫黄山以降、下ってばっかりなんですけど?
 
 
longcourse2
 
心配ご無用、最低標高の白鳥温泉までまっしぐらなので間違ってはいない。
 
 
トレイルの下りが終わるとまたしてもダブルトラックの下りが出現…
 

このあたりで42kmをついに突破する。
 
 
未体験ゾーン突入!
 
 
 
下り基調のダブルトラックを走る…
 
 
kirishima8
ペースを維持できなくなり、GさんKさんコンビにだんだん離されてきた…
 
 
もう3時間程一緒に走らせてもらって来たが、このあたりでお別れかな…
 
 
 
お二人がコーナーの先に見えなくなってしまい、私は下りなのについに歩き始めた。
 
 
ちょっと…しばらく歩いて回復を計ろう…
 
 
と思っていたその時!
 
 
「どうしたんですかぁ〜?」
 
 
と声をかけつつ軽快に抜き去って行くポニーテール…
 
第二関門前からご無沙汰だったU子ちゃんだった。
 
どうやら腹の調子も良くなったらしい(笑
 
ポニーテールを左右に揺らしながら軽快に(ガンガン)下りを
走って行く後ろ姿を見送っていると…
 
 
 
ピピ…ピーピーピーピーーーーー
 
 
 
kyoto24
補助パワー始動!!(本日2回目)
 
 
 
私は再び(三たび?四たび?)走りだした。
 
GさんKさんを追い越した。
 
おそらく「なんなんだコイツは?」と思われただろう(笑)
 
 
しかし補助パワーも長くは続かず、U子ちゃんに追いつくことなくコーナーの先に
チラリと見えるポニーテールを辛うじて追う(爆)
 
 

「エイドまで600m」でーす!
 
と不意に言われた。
 
 
ということは最後の関門!
 
ここで給水してあとはゴールまでまっしぐらだぜ!
 
 
と少し元気が出た。
 
 
100m程先にU子ちゃんを見ながらエイドへの上りを上る…が、
 
距離は絶対600m以上あっただろう(笑)
 
 
 
森を抜けると芝生の広場に出て、先には最終関門/エイドが見えた。
 
 
kirishima7
 
ゴールまで残り10km。
 
最後の戦いが始まる。
 
 
 
 
その6へつづく>>

 
 

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