ナイトライダー、草千里に散る
激動の三連休を終えた筆者は、夏の大イベントを
終えた達成感のようなものと共に一週間を過ごした。
しかし、ハードに運動した後には「クールダウン」を
しなければならないというのは常識である。
クールダウンがてら気軽に参加できるイベントとして
筆者はこのイベントを選んだ。
勘の良い読者の皆様はもうお解りかもしれない。
そのイベントとは
サイクルマラソン、阿蘇望!
昨年は無事に完走したものの、大雨による土砂災害でコースが一部
変更になってしまっていたので、本当の阿蘇望を完走したとは言えなかった。
そんな阿蘇望に、今年はクールダウンがてら参加することにした。
え、クールダウンがてらの割にはハードすぎるだろうって?
人生、ネタですよ、ネタ!
先日のトライアスロンやオートポリスの3時間耐久ではやっていなかった事がある。
アタックチャぁーンス!
そんなクールダウンがてら参加するイベントではあるが
距離は120kmなので、前からちょっと気になっていた自転車のタイヤを
前日に交換しておいた。
ミシュラン PRO3 RACE
赤いタイヤでちょっぴりイメチェン(笑
自転車のタイヤメーカーは沢山あるのだが、ついついバイクとかクルマの
タイヤを作っているメーカー製を選んでしまう(笑)
ちなみに今まで着けていたのはコンチネンタル製。
ミシュランタイヤなんて、以前乗っていたゼファー750に履かせた89X以来である。
今年も大勢のドM…いや、自転車愛好者の皆さんが集まった。
雑誌用の記念撮影中の自転車バ…いや、サイクリストの皆さん。
会場内を徘徊していると、
「あのー、もしかしてナイトライダーさんですか?」
と話しかけて下さる方が数人(笑)
ありがたいことだ。
これからもどっかで見かけたらお気軽に声をかけていただきたい。
おおっ、私のと同じ自転車だ(笑
あ、S師匠。
また走るの?(爆)
お隣はお友達のMs.TANGO女史。
凍らせて来たボトルの水が完全に溶けた頃、サイクルマラソン阿蘇望が
スタートした。
私は申し込みが遅くて500番台だったので、スタートしたのは
先頭が出発した45分後…
この45分の待ち時間がキツかった。
今回も文句無しの晴天。
スタート直後にイキナリきました
アタックチャぁーンス!
ご覧のように、もの凄い日差し&上り坂
去年の経験を踏まえて、後半の2峠に備えて超省エネモード、
ギアも遠慮なく一番軽いギアに落として心拍数を上げないよう、
静かに呼吸できるようなペースで上る。
暑いのに沿道で「がんばれー」と声援を送ってくれる地元(と思しき)の方々に
手を振りながら走る。
広域農道をクリアし、順調に箱石峠にたどり着いた。
去年より随分速く感じる。
箱石峠からの下りはスピードが出るので、集団で下ると危ないという配慮から
15秒間隔で一人ずつ下り始めるという方式が取られたため、峠の頂上付近で
15分程待ち時間が発生した。
まぁ、安全のためには仕方ないだろう。
箱石峠を下る。
根子岳を左に見ながら、緑の中を疾走する。
上り坂がどんなにキツくても、その後にこの爽快な下りを走ってしまうので
上りのキツさを忘れてしまう(爆)
坂を下りきったら、今度は上り坂だ
左の黄色い看板は「上り勾配12%」の看板。
がはぁっ!(吐血)
そして、これをクリアするとやって参りました!
去年は走れなかったけど、今年は文句無しのコンディション。
阿蘇登山道・坊中線に
アタック・・・・
チャぁーンス!
がはぁっ(吐血)
登山道名物、空しか見えない上り坂。
まるで空を飛んでいるようだ!(壊)
思わずこの歌を口ずさんでしまった。
漕ーげ漕ーげ、漕ーげよ、ボート漕ーげよー!
ママの所に帰りたいよー(謎)
壊れて来た…
米塚を眼下に見ながら、いよいよ終盤の坂に突入する。
勾配はますますキツくなり、
観光バスによる黒煙攻撃をやりすごしながら草千里を目指す。
登山道路に入ってからクルマの交通量も多くなり、私よりペースの遅い前走者に
追い付くたびに、後ろから来るクルマの切れ目を狙って一気に追い越しをかけねば
ならなかったので、結構足に疲労が溜まって来た気がする。
そして、最後のコーナーを曲がろうとしたその時だった…
左膝が悲鳴をあげ始めた。
やっちまったなぁー!(クールポコ調)
違和感ではなく、痛み。
痛くないポイントを探るようにペダルを回して、草千里展望所に到着した。
私の後ろを走る参加者が
「うぉっしゃー!着いたぁ!」
と歓喜の声を上げる。
しかし、私のテンションは全盛期の野茂のフォークのように
下降線をたどっていた。
草千里ドライブインの前を通過し、チェックポイントであるロープウェイ乗り場を
目指すも、手前のなんでもない坂を上れない。
トルクをかけると左膝が痛い。
これはどうしようもない。
沈んだ気分のままチェックをうけて、吉田線を下る。
前日に交換したミシュラン PRO3 RACEはすばらしいグリップ感を伝えて来る。
全盛期の野茂のトルネード投法のように回り込んだヘアピンもニュートラルな
ステア特性でいとも簡単にクリアしてしまう。
と、眺望抜群の下りを満喫して高森に下りきった。
平地をボチボチ走って、昼食会場の「あそ望の郷」へ戻る。
その手前のゆるーい坂ですら上れなくなってしまった。
昼食会場に着いて、チェックを受ける。
私は決心して、チェック担当のボランティアの方に告げた
「リタイヤします…」
体力も残っているし、足にもまだそんなにダメージは無い。
去年より確実に強くなっているはずだ。
だが膝を痛めてしまった。
弱ぇぇ…
昼飯をゆっくり食べながら、後半の地獄の2峠目指して出発する
人々を見送る。
あの地獄の坂を上らないで良いという安堵感よりも、
中途半端感の方が大きい。
普通に歩けるので、大したことはないのだろう。
おそらく追い越しで一生懸命ペダルを踏みつけている時に
膝が外側に開いたペダリングになっていたに違いない。
今年は本来の阿蘇望を完走し、来年からは海水浴にでも
行こうと思っていたのに…
また、来年…か。
ナイトライダー
昭和47年3月25日生まれ、血液型A型
2008年7月27日、第11回サイクルマラソン阿蘇望にて…
ナイトライダー、草千里に散る… 完
健康のため、自転車の乗り過ぎに注意しましょう。