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最悪にして最高の一日【その1】

12月 12th, 2016
最悪にして最高の一日【その1】 はコメントを受け付けていません

2016年12月4日(日)
「九州 Heaven Ride 2016」
に参加した。
 
最大5名でチームを組み、与えられた地図をもとにロードバイク(自転車ね)で小国〜阿蘇エリアに設けられたチェックポイントを回って戻って来るというイベント。
 
このイベントの特徴は「招待制」であることと、ロードバイクだけど走る場所は「必ずしもオンロードではない」ということ。

10月下旬に土橋塾長から「Heaven Rideに出ないか?」とお誘いを受けた。
 
どうやら土橋塾にも招待が来たらしい。
 
私は熟考の末、期待に応えなければならんと思い出場の意志を表明した。
 
 
土橋塾長は言った
 
 
「わかった…じゃぁ、冬用のジャージ発注するからサイズ決めてネ!」
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
まっ…まさか、冬用ジャージの最低発注枚数を確保するために誘われたの?俺? 
 
 
土曜日夕方会社のスタッフに「ちょっと商談に行って来る…」と言い残し、ロードバイクを積んだジムニーで小国町へ…
 
 
なかなかのテンションで展開される前夜祭を楽しみ、ビールとかワインとか飲みつつ…
 
スマートフォンで「雨」予報を確認して「雨降ったら自転車降さんで温泉だけ入って帰ろう」と秘かに思っており、
土橋塾長と「早朝コッソリ置き手紙置いて姿を消そう」と打ち合わせていた。
  
皆が寝静まった頃を見計らい、イベント連絡用のSNSに下記の画像をアップし、印刷した置き手紙を準備して就寝した。
 
15356673_1163691437047906_5932433594649686066_n

 
あけて翌日。
 
 
寝坊した…普通にAM6時とかに起きてしまった…
 
 
がはぁっ!(吐血)

 
しかも曇りで「もしかしてなんとか持ってくれるかな?」というレベルのお天気だったためか、他の参加者達は普通に出走準備を始めており、私もつられて自転車降ろして着替えを始める…

スタート前のブリーフィングが始まる頃を見計らったかのように「ザーっ!」と雨が降り出した。

がはぁっ!(吐血)
 
もうホントに「ザーッ!」と降っている。

部屋の中から外を見ると白い線が幾筋も見える程に降っている。
 
もう帰ろう… 
 
完全に上の空でブリーフィングを聞き、いよいよスタート時刻に…

雨が降ったら自転車なんか乗らないので自転車用レインウェアなんて持っていない。
とりあえずウインドブレーカー着てみたものの、すぐに水が染みてくる…だめだこりゃ。

仕方なく着膨れ覚悟でアウトドア用のmontbell製合羽を出してジャージの上に着て、フードがバタつかないようその上からウインドブレーカーを着用。
 
01
(photo by CHANOKO)
せっかく新調した冬用ジャージがまったく見えないという残念な出で立ちでスタートラインに並んだ。
※筆者は向かって右
 
 
聞くところによると、エントリーしていた19チームすべて出走らしい…
 
 
しかもなんか皆ニコニコしとるし…
 
 
意味分からん…
 
 
AM8時45分、土橋塾チームスタート。
 
 
 
 
 
【その2】へ続く>>
 
 

自転車

俺の夏2013 完結編

8月 9th, 2013
俺の夏2013 完結編 はコメントを受け付けていません

<<その6はこちら
 
残りゴーテンハチキロ??
 
 
さっき「残り6km」と言われてから50分以上経っているのに
200mしか進んでいないのか…?(笑)
 
 
時計をみると9時間30分を過ぎている。
 
 
もう無理だ…
 
 
10時間切りの目標は、無惨に砕け散ってしまった。
 
あの男性スタッフが言ったのはショートコースの残り距離だったらしい。
 
 
 
10時間切りが夢となり、一気に力が抜けようとするものの
ここからは霧島の池の周りを走るトレッキングコースで、ハイカーさんが多くなり
私の姿を見るなり「がんばってくださーい!」と声援をもらう。
 
 
しばらく進むと今度は
 
 
ビデオカメラを構えたムービー撮影部隊が!
 
 
この場所だと皆疲れて歩いているハズだから、
 
 
ここは走っておかないと!
 
 
ということで、残り少ないパワーを使ってカメラの前だけ走る!
 
 
しかし、走っているつもりでウデは振るが、脚が上がっていない(笑)
 
 
そんな感じでカメラの前だけ一生懸命走ることを3回程繰り返し(爆)、
池の周りのトレイルへ。
 
 
ここで前方にポニーテール発見!
 
 
kyoto24
補助パワー始動!
 
 
U子ちゃんに追い付くものの、何か様子がおかしい。
 
 
聞けば「足にマメができて痛い」と…
 
 
上りで歩く時は、ハリーキャラハンに太腿を刺されたサソリのように
ちょっと足を引きずるように歩いているが、それでも平地や下りは
一生懸命走っている。
 
 
 
その姿を見て私は思った
 
 
 
「俺は人事を尽くしているのか?」
 
 
 
ここまでの行程を振り返ると、
 
下りでヘバっているたびにU子ちゃんのポニーテールで補助パワー始動。
 
細かいアップダウンを繰り返す区間でGさんとK子さんに引いてもらいペースを維持。
 
 
結局、
 
 
俺はずっとチャンネーのツーケーを追いかけていただけじゃねーか!(自爆)
 
 
 
10時間切りは無理だったが、俺はまだ人事を尽くしてはいない。
 
 
 
kirishima32
また階段か…
 
脚は上がらないがまだ上れる。
 
 
階段トレーニングの成果があるのだろう。
 
 
左手に六観音御池の澄んだ水面を見ながら走る。
 
 
ゴールまであとわずかだ、後悔しないようにすべてを出し切ろう。
 
 
疲れたなんてものではない、気力で走っているようなものだ。
 
 
だが、ゴールは確実に近づいている!
 
 
よーし、このまま行くぜ!
 
 
 
 
 
 
 
スタッフが二人現れた。
 
 
 
「コチラでーす!」
 
 
と元気よく右手に誘導される
 
 
そこには
 
 
「白鳥山登山口」
 
 
の看板が…
 
 
そう、これは最後の最後にやってくる
 
 
longcourse2
コース最高地点への上り…いや、登りだ。
 
 
 
 
参りましょう、慎重かつ大胆に。
 
 
 

 
 
 
attack2.jpg
アタック・・・・
 
 
attack3.jpg
チャぁーンス!
 
 
がはぁっ(吐血)
 
 
な…なんじゃこの急勾配は!?
 
 
 
dyson1
も…もう登れない…
 
 
眼前には斜面しか見えない。
 
 
 

 
 
何度も折り返しながら少しずつ登る…
 
 
 
 
ちょ…マジ、高木さんっ!!!
 
 
 
だ…だめだ…
 
 
 
この時、脳内音楽プレイヤーが自動選曲したのは ↓コレ(1分4秒)
※ボリューム大きめで! 
 

 
 
 
なーんのーたーめにー安らぎにー背を向けてー♪
 
 
あまりにもハマり過ぎて、一人でニヤついてしまった…
 
 
 
 
眺めの良い場所まで登るがまだ終わりではないらしい、
緩い登りのシングルトラックを走る。
  
 
ガレ気味の場所に出た。
 
 
どうやらこれが白鳥山の山頂らしい。
 
 
kirishima5
↑この、何もアングルを検討することなく
「ただ撮っただけ」が伺える写真から私の
疲労度と精神状態がわかる(笑)
 
 
kirishima31
結局、第二関門直後の硫黄山から池を挟んで反対側まで
来たようだ…
 
 
 
 
スタッフが居る
 
 
「もうあとは下りです!」
 
 

ここからの下りが石がゴロゴロしていてまた微妙
 
 
 
もう最後だ、できるだけ走ろう。
 
 
 
よーし、歌でも歌おうじゃないか!
 
 
 
scorpio1
こーげ、こーげ、こーげよ!
ボート漕ーげよー!
 
ランランランラン川下ーりー! 

 
 
 
だっ…ダメだ…、もう壊れてきた。
 
 
ハイカーさんとすれ違う。
 
 
「がんばれがんばれー!」
 
 
と笑顔で励ましてくれる…
 
 
ありがとうございます。
 
 
 
どれくらい走っただろうか…ついに、えびの高原荘前の公道に出た!
 
 
道を横断して歩道を走る。
 
 
 
 
メイン会場までもう数百メートル。
 
 
 
林の中を走ってついにゴールゲートが見えた。
 
 
 
俺は帰って来た。
 
 
 
芝生の広場をゲートに向って走るのは私一人。
 
 
大会のMCが、「またランナーが一人帰って来たぁ!」と盛り上げてくれ、
束の間の主役気分を味わいつつ、武藤敬司バリに「LOVEプロレス」ポーズ!
(多分誰も見てなかっただろうけど・笑)
  
 
60kmという距離を走った後だ、
 
脳内BGMは「炎のランナーのテーマ」になったりして、
万感の思いがこみ上げてきて涙なんかでてきちゃったりする
んだろうか?とか思ったが…
 
  
  
別にそんな感じではなかった(笑)
 
 
 
 
MCに名前をコールされてゲートをくぐった…
 
 
 
kirishima3
10時間42分00秒(制限時間は14時間ー19:00)
 
10時間は切れなかったけど
 
 
とても気持ちがいい。
 
 
この瞬間の、この感覚を味わうために俺はこんなキツいことをして来たんだ。
 
 
 
 
ゴール地点に居たso君の奥さんやmcfm氏の奥さんから労いの言葉をもらう。
 
 
ありがとう。
 
 
 
普段は飲まない赤いコカコーラを思い切り飲む。
 
 
美味い!
 
 
途中で引っ張ってくれたGさんとKさん、補助パワーを起動させてくれたU子ちゃん、
練習に付き合ってくれた仲間達、途中で励ましてくれたボランティアの方々や
ハイカーさん達、そしてネタに付き合ってくれた家族に感謝した。
 
 
終わった…
 
 
kirishima2
会場に立ててあった幟がふと目に入った
 
「九州爆走女」
 
なにやら物騒な名前だな…
 
 
ああ、そういえば、U子ちゃんのTシャツにはこのロゴが入っていた…
 
 
なるほど…な…
 
 
もう俺のバッテリー残量も残り僅かになってきた…
 
 
 

大会主催者であり、コースプロデューサーである高木さんを見つけた
 
 
ゴールまでの行程を思い出しながら、 
私は最後の力を振り絞って、彼に言った…
 
 
 
 
「殺す気…か…?」
 
 
 
 
 
 
俺の夏が終わった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
kirishima41
 
 
 
 
 

 
 
おまけ…
 
 
後日公開された今大会のダイジェスト版動画。
大会の雰囲気が伝わってきます。(3分56秒)
 
ちなみに私も、無駄にパワーを振り絞ってアピールした
甲斐あって1:42と2:35の2回に1秒だけ登場します(爆)
 
これを観ればあなたも来年出場したくなるハズ!
  

 
 
 
高木さんを始めとする大会関係者、自治体、県警の皆様、
ボランティアの皆様、ありがとうございました。
 
文字通り、エクストリームな大会でした。
 
 
来年は10時間切りを目指して…、いやいや、こんなキツイ大会もう出ません!(爆)
 
 
 
 
 
おしまい
 
 

未分類

俺の夏2013 その6

8月 8th, 2013
俺の夏2013 その6 はコメントを受け付けていません

<<その5はコチラ
 
 
kirishima7
最終エイド。
 
 
関門の通過チェックを受けてから、空になりかかっていた
ハイドレーションバッグに水とアミノバリューを補充。
 
バナナなども頂きつつ小休止。
 
ここで初めてU子ちゃんと「申し遅れました…私はこういうものです…」と
自己紹介をし合う(笑)
 
 
時計を見ると7時間56分。(12時56分)
 
 
残り10kmを2時間で行ければ10時間が切れる!
 
 
 
そう、私はこの霧島・えびの高原エクストリームトレイルに挑むに
あたって「10時間以内に完走」という目標を立てていたのだ。
 
もちろん第一回なので目安となるタイムもわからず、獲得標高と
距離でテキトーに立てた目標だ(笑)
 
 
残り10km…
 
 
ロードのマラソンであれば疲れていても1時間はかからない距離だが、
これはトレラン、
 
 
しかも、ここからは…
 
 
 
longcourse2
大会コース中最強(最狂)の上りプロフィール!!
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
高木さぁ〜ん…お願いしますよ〜マジで…
 
 
 
意を決して最終エイドを出発。
 
 
U子ちゃんは先に出発したようだ。
 
 
エイドを出てアスファルトを少し下って、公道を横断。
 
 
ボランティアの方が安全を確保して横断させてくれる…
この炎天下の中本当にありがたい。
 
「お疲れさまです!ありがとうございます!」 
 
と声をかけた私に、ボランティアの方は元気よくにこやかに
 
 
「こちらでーす!」
 
 
と言って、誘導してくれた。
 
 
 
私の視界に飛び込んできたものは…
 
 
 
 
 
kirishima6
 
石段
 
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
ここへ来て、10時間切りに向けて急いでいるのに石段ですか??
 
 
高木さん、カンベンして下さいよ、マジで。
 
 
 
ここまで8時間、50kmを走って(歩いて)来た身にはかなり堪える石段…
 
脚が上がらない…
 
 
石段をなんとか上りきり、アスファルトをちょっと下ってトレイルに入る。
 
 
下りになって先ほどから気になっている問題がより顕著になって来た。
 
 
右足内側くるぶし付近が痛い。
 
 
これは足首に貼っているテーピングのせいで、先日の講習会で「引っ張り過ないこと」
散々注意されていたにも関わらず、貼る際にひっぱり過ぎていたようで水膨れに
なってきていたようだ。
 
途中でもうテーピングを一部剥がして走っていたのだが、やっぱり痛いので
トレイルから一旦外れて靴や靴下で擦れないように絆創膏を貼って応急処置。
 
 
その間にGさんKさんコンビに追い越される。
 
 
 attack34
アタックチャぁ〜ンス!
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
再び走り始めるが、ここからは最強の上りプロフィール。
走るというより「刻む」感じで歩いていくしかない。
 
折れそうになる心、
 
しかし、「もうあとヒトケタkmしか残ってないんだ」と自分に
言い聞かせる。
 
 
10時間を切るんだ。
 
 
 
途中でハイカーさん達の激励を受けつつ、進む。
 
 
 
事前情報で「脚を冷却できるくらいの深さの沢がある」と
聞いていた場所に差し掛かると、GさんKさんの姿が見えた。
 
 
俺も行くか…?
 
いや、前に進もう

 
 
小走りでもなんでも良いから走れるところは走る。
 
 
すると…
 
 
小さい沢を渡るところにボランティアの男性スタッフが
立っていて、私の姿を見るなり言った
 
 
 
「あと6kmでーす」
 
 
 
時計を見ると8時間40分。
 
 
あと6kmを1時間20分。
 
 
 
いける!
 
 
 
しかし、直後には激坂トレイル
 
 
attack34
アタックチャぁ〜ンス!
 
 
がはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
まだまだぁ!
 
 
 
 
 
どのくらい進んだだろうか…
 
 
 
ベップさん、荒木さんのトップ二人とすれ違ったあたりのポイントで9時間前後。
 
 
残りは3kmか?…4kmくらいか?
 
 
 
ひたすら上り続ける。
 
 
 
 
前にボランティアのスタッフが二人居るのが見える。 
 
 
「よし!」
 
 
そのスタッフが二人居る分岐にさしかかると、
 
 
右に行くよう促される。
 
 
私はいつものようにそのスタッフさんに
 
 
「おつかれさまです、ありがとうございます!」
 
 
と声をかけた。
 
 
 
それに応えるようにスタッフさんは言った
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あと5.8kmでーす!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「え、何ナニ??」
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あと5.8kmでーす!」
 
 
 
 
 
 
 
ぐはぁっ!(吐血)
 
 
 
 
 
 
 
次回完結!
 
 

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